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■所得税の申告期間

 皆さん、年が明けたら、所得税の申告の準備です。

 勤め人でも医療費が多額だったり、住宅を購入した年などは申告することで税金が還付されることはご存知ですよね?
 ライターなど支払いを受ける際に、税金をあらかじめ源泉徴収されている場合も還付されることが多いもの。
 所得税の申告は2月なかばからと思われていませんか? それはあくまで所得税を支払うひとの場合です。還付されるケースならそれより早く、1月も早々から申告を受け付けてもらえます。早く申告すれば、還付金も早く支払われます。
 年が明けたら昨年仕事した会社に源泉徴収票の送付を依頼して、申告の準備を始めましょう。申告はお早めに!



■申告で得するアルバイトSOHO

 給与所得が2000万円未満で、副業の収入が20万円未満のサラリーマンや、所得が少ないひと(所得控除額の合計額以下。基礎控除のみなら38万円以下) は確定申告をする必要がありません。
 しかし確定申告をしたほうがお得です。
 ライターやデザイナー、入力オペレーターなど受注型の仕事をしているひとの場合、通常、発注者から仕事の代金をもらうときに源泉徴収されています。たとえば10万円で受けた仕事なら、振込みは1割引かれた9万円。この源泉徴収された分は、発注した会社があなたに代わって、既に税務署に収めてくれています。
 そこで申告すると、源泉徴収された税金が還付されることになります。

 還付金の計算一例

 収入          500,000円
 源泉徴収税額       50,000円

 経費          120,000円

 ↓ ↓ ↓
 所得(収入マイナス経費) 380,000円
−基礎控除        380,000円
-----------------------------------
課税所得            0円

 ↓ ↓ ↓
還付金額          50,000円

 収入は50万円あったものの経費が12万円かかったので、所得は38万円、基礎控除38万円を引いただけで、課税所得は0円。申告の必要はありませんが、申告すれば、支払った源泉徴収税5万円がまるまる還付されます。

 給料以外の収入がないサラリーマンでも昨年、医療費が多額だったひとや住宅を購入したひとは申告すれば税金が還付されます。
 所得税の申告は2月なかばからと思われていますが、還付されるケースならそれより早く、1月も早々から申告を受け付けてもらえます。早く申告して、早く還付金を手にしましょう!



■国税庁のサイトで確定申告書作成

 国税庁のサイトに「平成19年度分確定申告書等作成コーナー」が用意されています。
e-TAXが目立ちますが、これは実際、事前準備などけっこう面倒。「e-TAXを利用しない場合」をクリックして、簡易なほうを選ぶのがおすすめ。ここで作成した確定申告書をカラープリンタで出力すれば、そのまま税務署に提出することができます。



■青色申告と白色申告

 確定申告には青色申告と白色申告があります。

 ●誰が白色、誰が青色?
 白色申告は比較的簡単で、青色申告は記帳の義務がある代わり、いくつかのメリットがあります。サラリーマンが医療費控除などを申し立てる場合は白色申告です。青色申告できるのはSOHOのように事業所得がある場合や、不動産所得、森林所得がある場合です。
 懸賞やクイズなどで稼いだものは事業所得ではなく、雑所得となります。

 ●白色と青色申告、どちらが得?
 白色申告のほうが簡単ですが、最近は青色申告ソフトも使いやすいものがいろいろ出ていますので、サラリーマンの副業や扶養家族ではなく、SOHOとして独り立ちして事業をやっていくつもりなら、青色申告をおすすめします。
 サラリーマンの副業でも、ある程度以上の金額になるなら、青色申告を考えてもいいでしょう。

 ●青色申告の特典
 (1) 青色申告特別控除を受けられる
 複式簿記を行えば最高65万円、それ以外の場合は最高10万円が控除されます。

 (2) 専従者給与を必要経費にできる
 家族に払う給与を必要経費にするには、白色だと上限が定められていますが、青色申告者がこの届出をした場合、一般常識的な給与の全額を必要経費として認めてもらえます。

 (3) 損失額を3年間繰り越し控除したり、前年に繰り戻すことができる
 所得が0円でも、赤字でマイナスの場合でも、所得税は同じ0円です。
 ある年が赤字で、翌年大幅に黒字の場合、白色申告では最初の年は0円、翌年はたくさんの税金を払うことになりますが、青色申告の場合は前年の赤字持ち越して翌年の黒字から控除できるので、翌年の税金が少なくて済みます。

 ●青色申告するには?
 青色申告するには申告期限青色申告を始める年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を出す必要があります。ただし、その年の1月16日以後に新たに開業した人は、開業の日から2か月以内に申請すればよいことになっています。
 これまで白色申告をしていた場合はは、申告期限青色申告を始める年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を出すと、翌年の申告の際から青色申告できるようになります。届けが3月15日以降の場合は、翌々年の申告時からしか、青色に切り換えられません。

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■会社をやめたひとの確定申告

 昨年、会社をやめて、その後、就職しなかったひとは確定申告が必要です。
ただし、退職時にそれまで納めた所得税を還付されていて、その後、全く仕事をしていない、失業状態の場合にはする必要がありません。
 SOHOとして仕事を始めたひとはもちろん確定申告が必要です。

●退職金の申告は?
 退職の際、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出して所得税の精算をしてもらった場合は、既に適切な税が源泉徴収されています。提出していない場合には20%の税率で源泉徴収されていますので、確定申告することにより、税金が還付されます。
 中小企業の場合には中小企業退職金共済制度に入っていて、ここから退職金が支払われる場合があります。この場合には退職金支給のない会社や、会社倒産の場合でも退職金が支給されます。
 退職金については、通常の所得とは異なる扱いがされ、勤続年数が長ければ長いほど、控除も大きくなり、所得税はわずかです。



■確定申告の具体的準備

 かつては税務署に行くと、長時間待ちさえすれば、税務署署員や税理士がを聞きながら、申告用紙に書き込んだりもしてくれました。しかし、数年前か ら「自書申告」となり、自分で書かなければならなくなっています。ですので税務署に行く前にきちんと準備しておきましょう。

●確定申告用紙の入手
 個人事業主で前年も確定申告を行っているひとの場合には、税務署のほうから用紙を送ってきてくれたりしますが、今年初めて申告しようとする場合には、自分でもらいに行く必要があります。
 また、Windowsを使っている場合には、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成した確定申告書をカラープリンタで出力すれば、そのまま税務署に提出することができます。
 用紙入手の際には、一緒に「所得税の確定申告の手引き」をもらって、書き込むときの参考にしましょう。
 自営SOHOで白色申告する場合には確定申告書のほかに、収支内訳書も必要です。
 また複数の会社と取引がある場合には所得の内訳書も手に入れましょう。

●源泉徴収票集め
 昨年、退職したひとは退職時に会社からもらった源泉徴収票が必要です。これを見ながら、確定申告書の給与所得欄を書き込みます。
 ライターなどの自営SOHOの場合、仕事先が支払い時に源泉徴収しているはずで、1月末から2月初めに次々と源泉徴収票が送られてきます。昨年の収入を調べて、まだ源泉徴収票を送ってきてない会社があったら、電話して催促しましょう。
 SOHOとしての収入は源泉徴収票を見ながら、所得内訳書に書き込み、その裏側に源泉徴収票を貼り込みます。

●社会保険や生命保険などの控除に必要な領収書
 健康保険や年金、生命保険など控除対象となるものの払込証明書なども秋頃から送られて来ているはずです。
 また医療費控除を受けようとする場合には医療費の領収書も用意しましょう。
 これらは申告の際に貼付する必要がある書類です。

●必要経費の計算
 青色申告の場合は記帳をしているはずですが、白色申告の場合には、記帳なしでも済むので、この時期までなにもしてないひとも多いと思います。
 収入を得るために必要となったものにかかったお金、たとえば仕事用のパソコンや事務所賃貸料などの領収書を用意して、必要経費の計算をしましょう。収支内訳書を見ながら、まず領収書を項目ごとに分類します。たとえばタクシー代は「交通費」、事務所賃貸料は「地代・家賃など」というふうに。迷うところは手引きなどを見ましょう。分類した後、項目ごとの金額を計算します。
 これは家計簿ソフトなどを利用すると便利です。
 また、パソコンなど10万円以上する減価償却資産に関しては裏面に記入欄がありますので、ここに記入して、今年の経費に参入する金額を計算します。
 すべて計算したら、収支内訳書に記入します。

●確定申告書への記入
 最後に確定申告書に記入を行います。自分で自信を持って記入したなら、税務署まで足を運ばなくても、郵送で申告することも可能です。
 平成16年6月から電子申告が全国で利用できるようになり、自宅や事務所などに居ながらにしてインターネットを利用して申告や納税することも可能になりました。電子申告システム「e-Tax」に対応したソフトを使えば、用紙取り寄せも申告書提出もせずに、パソコンとネットで申告を済ませることができます。ただし、事前に電子証明書とICカードリーダライタを用意しなければならないなど、いささか面倒。
 申告書を提出する前に、それぞれ複写されているか確認して、印を押すのもお忘れなく。税務署まで行く場合には、訂正印が必要になったりするので、認め印を持っていきましょう。


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