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2001年10月に、わたしが書いたダイエット本が発売されました。
学生時代からつきあっていた連れ合いは、結婚時には学生時代に比べて20kgも太っていました。ダイエットを勧めても、当人は「昔が痩せすぎ。いまはちょうどいいんだ」と言って、全く痩せる気がありません。そこで当人に感づかれないように、少しずつ、少しずつ夕飯のメニューを変えていくだけで、痩せさせました。最終的にはマイナス15kg。現在は四十代なかばにして、体脂肪率15%の理想的スタイルです。 最初は適当な勘で作っていたメニューを途中でカロリー計算ソフトでチェックしたことがあります。するとその年代の男性に必要な栄養はほぼ満遍なく摂れていて、カロリーも多すぎず、少なすぎず……ただときどき脂肪とカロリーがオーバーするメニューがあることに気づいて、いくつかの料理は避けるようにしました。でも基本的には山勘のメニューで、栄養バランスは悪くないことがわかりました。 なにせ当人が痩せる気がないものですから、必要カロリー以下に減らすなんてことはもちろんしていません。極度のカロリーオーバーを避けて、ただバランス良い食事にしただけだったのに、マイナス15kgのダイエットを成功させられたのです。 もちろんリバウンドなし。 先日、ダイエット本の企画が持ちこまれて、そのダイエット方法、低インシュリン・ダイエットについて調べたところ「あれ、わたしが連れ合いを痩せさせた方法は、なんだ、これだったんだ」と思いました。 |
監修の永田孝行先生がテレビ番組「特命リサーチ200X」(2001年8月5日放映分)で紹介した究極のダイエット法、低インシュリンダイエット。
本書では理論やレシピだけでなく、代表的なファミレスやコンビニ弁当のメニューの中でお勧めできるメニューも紹介、手軽に現実的に実践できる内容となっています。また100を越える食材のGI値がわかるGI値リストも掲載しました。 表紙は監修者名だけですが、奥付にわたしの履歴と名前が掲載されています。 |
連れ合いは結婚した時には学生時代の20kg増となっていました。でも当人は「昔が痩せすぎ」と主張して、ダイエットする気がありませんでした。だから、ダイエット食を食べさせることなどできませんでした。
ただ、こってり料理ばかり食べていて、将来、肥満で突然、極端な脂抜き料理を食べさせられたり、濃い味つけで食べていて、将来、高血圧で塩抜き、味なしの料理を食べさせられるようになるのはかわいそうだろうと思いました。せめて、いまから徐々に慣らしておこうと、まず考えました。 同時に、胃下垂でしばしば食が細くなる自分が食べられる食事もテーマでした。 連れ合いのこってり、たっぷり食をやめさせつつ、当人に満足感を与え、なおかつ、わたしの食欲を引き出す食事……そう考えた結果が、品目の多い食事でした。調理法も、材料も、味もバラエティをつけた、バランスの良い食事にすると、自然に脂肪とカロリーは適切な量におさまりました。 同時に、わたしが好きな料理が増えていきました。 連れ合いが好んだ料理はこってりポークソテーにニンジンの艶煮、バターコーン、ポテト、くたくたにゆでたマカロニサラダ、柔らかく炊いたごはん…と、低インシュリンダイエットの観点で太りやすい食事の典型でした。野菜は嫌いではありませんでしたが、マヨネーズやケチャップなど、糖分やカロリーの高い調味料をたっぷりかけていました。 ところがわたしの好みではごはんもパスタも硬め。原始的な穀物の味が好みで、できれば主食は麦飯や胚芽パン。たんぱく質は鶏肉に魚、豚や牛ならタンや内臓など低脂肪なもの。野菜はできるだけ素材の味が生きる調理で、サラダより温野菜を好み、結果としてたっぷり繊維質。さらに低カロリーで、高繊維質の海草と茸が大好物。牛乳はひとりで1日コップ2、3杯。味は塩味など、素材を生かすシンプルな味つけ。作りたくない料理は揚げ物、衣がついたもの、餃子など包んだり、巻くもの…つまり炭水化物や油を多く使う料理は作りませんでした。 当初は野菜たっぷり中華で、少しずつ動物性脂肪を減らし、豆腐など他のものでたんぱく質を増やしていきました。ポークソテーなら、1人前がたっぷり脂肪付の150gくらいの肉。でも野菜炒めなら、二人で豚肉50gでも足りてしまいます。冷凍庫にはいつも50gずつ小分けした肉が入っていました。 やがて連れ合いの食の好みがわたしにつられて変わってくると、和食も増えていきましたが、まだ中華料理全盛のままの数年後には連れ合いは体重が15kg減っていました。もちろんリバウンドすることはありませんでした。 現在、連れ合いは45歳の中年まっさかりで、体脂肪率は15%、理想的な状態を保っています。 でも、我が家の食事は決して貧相なものではないと思います。我が家の食事の写真を、ぜひ、ごらんください。 GI値などの解説は健康的食事知識知識をごらんください。 |
四十代になってから、じわじわ太り始めました。1ヶ月で2kg太って、次の1ヶ月で1kgやせて…を繰り返して、気づいたら、8kg太っていました。元々ヒップが大きくて、合う洋服がなかなかありませんでしたが、おばさん洋品店でもファスナーが上がるパンツがほとんどなくなったのはショックでした。
夕方の甘いものが習慣になりかかっていたので、それをやめて、スポーツクラブも、せめて週に一度だけは行くようにして、2kgは減らせましたが、そこでストップ。以来1年余り経過して、もうこの体重がわたしの体重として定着したと思い、昨年の秋、入らなくなった洋服を大量に処分しました。 体重(kg)÷身長(m)2=BMIの計算をしてみると、太る前の体重が18.6で標準体重の下限に近く、8kg太っても21.9で、ようやく標準体重の真ん中あたり。 「なぁーんだ、まだまだ太ってないじゃん」 ダイエットについて学んだら、逆に安心して、ダイエットをする気が失せてしまいました。 |
体重(kg)÷身長(m)2=BMI
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BMI
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〜18.5 |
やせ |
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18.5〜25未満 |
普通 |
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25〜30未満 |
肥満1 |
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30〜35未満 |
肥満2 |
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35〜40未満 |
肥満3 |
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40〜 |
肥満4 |
ダイエットする気はなくなりましたが、ただ、インシュリンを年中呼び出すようなダラダラした食べ方は避けようとは思いました。
わたしの食生活の問題点は飲み物でした。以前、交通事故で入院した際も、家族に買ってきてもらって病室の冷蔵庫に置いてある1リットルのペットボトルを1日平均2本飲み、家族から「糖尿病じゃないの?」と心配されました。そのときは検査で大丈夫と言われたものの、これは危険。甘い清涼飲料水を大量に飲んでいれば、インシュリンを呼び出しすぎてインシュリンが効かなくなるインシュリン抵抗性になりかねません。 昨年の夏、紅茶の本を書いたことから、紅茶を淹れることが増えていました。安易に冷蔵庫のペットボトルに手を伸ばす代わりに、丁寧に紅茶を淹れて、ティーブレイク。砂糖を入れずに紅茶を飲むことにしました。 おもしろいことに、砂糖抜きの熱い紅茶を飲むようになったら、以前よりも飲み物の量が大幅に減りました。やはり、わたしも清涼飲料水によって、糖分に対する一種の中毒状態になっていたようです。飲めば飲むほど飲みたくなる状態から脱却したら、うそのように清涼飲料水を買わなくなりました。 おかげで大幅節約。これまでは1日に清涼飲料水で400〜600円かかっていました。でも紅茶なら、50gで2200円の高級茶葉を買ったとしても1杯分で80円弱、わたしがふだん買っているものは1杯分で20〜30円ですから、断然、安上がり。安心して、あちこちのオンライン紅茶ショップで贅沢三昧の買い物を楽しんでいます。 ……そして、この春、体重を計ったら……なんと、びっくり、一番太っていたときから比べると、7kg減、昨年の秋からの半年で5kgも体重が減っていました。BMIは19.0。連れ合いもやはりこの半年で3kgやせて、BMIは22.3。 わたしは清涼飲料水を無糖の紅茶に、連れ合いは加糖のコーヒーを麦茶に変えたことと、ごはんを麦飯や玄米にした程度で、ダイエットの努力などなにもしてなかったつもりなのに! やっぱりダイエットはむきになってがんばると失敗して、単に食生活を健康なものに切り替えていくだけにすると自然に成功するようです。 |