ガーデニング基礎知識【タネまき】

種まきのコツ も参考に!



季節ごとの庭仕事のコツをお届けします。
e-mail: Mag2 Logo


タネまきは春は遅めに、秋は早め


 夏や秋に花咲く植物は春に、春に花咲く植物は秋にタネをまきます。時期は「春は遅めに、秋は早めに」と言われています。

 春の場合、三寒四温と言われるように、暖かくなったと思っても、また寒くなることがしばしばあり、早くまくと、霜などでやられてしまう危険があります。また適温にならない内にまくと、発芽せずに終わったり、開花までにヒョロヒョロと丈ばかり伸びてしまうこともあります。

 秋の場合は寒さを迎える前に、寒さに耐えられる大きさまで育つ必要があり、遅くまくと寒さに当たってやられてしまいます。ただし、植物によっては逆に冬前に半端に大きくなるといけないからと、遅めに蒔いたほうがいいものがあります。
 冬の寒さが厳しい地方では耐寒性がよほど強い植物以外は秋まきは難しいでしょう。寒い地方では、暖地では秋にまく植物を春早めにまいて夏に咲かせられる場合もあります。
 野菜やハーブの種のまき時カレンダー



春のタネまき適期は桜をにらんで


 それぞれのタネには発芽適温があり、タネまき適期は気温によって決まります。
 ですからタネまきの適期は暦だけでは語れません。その年によって同じ時期でも気温がちがい、去年と同じ日にまいても早すぎたり、逆に遅すぎたりすることもあります。また、多くの書籍、そしてこのサイトも関東を基準にしているので、もっと寒い地域や逆に暖かい地域のかたはどう時期を見計らえばいいのか、お悩みではないでしょうか?
 春の場合、一番確かな目安は周囲の植物の状態です。桜を基準にするとよいでしょう。

●多くの春まき適期はソメイヨシノの満開期
 チャービル、タイム、カモミール、アーティチョーク、チャイブ、トルコギキョウ、カンパニョラ、アスター、コスモス、キンレンカ、マリーゴールド、オキザリスなど一般的に春にまくタネの多くは発芽適温が15〜20℃。ソメイヨシノの満開から葉桜になる頃あたりが適期です。

●暖かめ好みの植物のタネまきは八重桜が咲き始める頃
 バジルセージ、トレニア、ニチニチソウ、マツバボタン、ルドベキアなど発芽適温が20〜25℃と高い植物はそれより数週間遅く、八重桜が咲く頃にまきましょう。

●寒さを嫌う植物は八重桜が散る頃
 トウガラシ、アサガオ、インパチェンス、ケイトウ、コリウス、サルビア、ベゴニア、ヒマワリ、マツバボタンなどは昼夜の温暖さがなくなる、八重桜が散る頃まで待ってタネまきしたほうが安全です。
 野菜やハーブの種のまき時カレンダー

楽天で探す
楽天市場
ほしいタネはこちらにキーワード、たとえば「パンジー タネ」などと入力して探しましょう


秋は短いタネまき適期


 秋はタネをまく時期の気温だけでなく、その後の気温が問題になります。秋はタネまき適期短いので、まき時を逃さないように注意しましょう。

 秋まきの場合は適期が大きくふたつの時期に分かれます。
 ひとつは寒くなる前に寒さに耐えられる大きさまで急いで育てたいもの。適温よりもやや早めくらいにまきます。ハボタンや一般のパンジーなどは9月の内に。けれど暑すぎる内にまいてもいけません。熱帯夜が続く間はまだ早すぎます。
 逆に冬前に大きくなりすぎないように遅めに蒔いたほうがいいものがあります。スイトピー、エンドウ、ルピナス、キンギョソウなどは10月中旬くらいが適期です。
 また一般には秋まきする植物も、北海道など寒冷地域の場合には春早めにまきます。
  野菜やハーブの種のまき時カレンダー


タネまき適期の試行錯誤


 春や秋のタネまき適期の目安はありますが、それぞれの環境で少しずつ適期は異なります。タネをまいたときに記録して、うまくいかなかったときは翌年時期をずらしてみましょう。
「え? 今年失敗したら、来年、また再来年と試すの?」
 そう思いました?
 わたしも園芸を始めたばかりの頃は「狭い庭なんだから、たくさん育っても困る」とどの植物も1本だけを育てようとして、失敗すると、いきなりあきらめたくなりました。
 でもしばらく植物を育て続け、ネット上で他人の経験を実感を持って聞いていく内に「百発百中、最初から確実に…なんて無理なんだ」とわかりました。たくさんまいて、たくさん育てて、たくさん失敗して……そうやって覚えていくものなんだと思うようになりました。


秋まきのすすめ


 虫は新芽が好きです。せっかくタネ蒔きしたのに、発芽したての芽が一晩で虫に全部食われてしまうといったこともままあります。

 そのため虫が多い春は虫との戦いが大変です。広い庭にたっぷりタネを蒔いて、どれかが育てばいいというならまだしも、ベランダなど限られた場所の中で蒔いたタネはなかなか大きく育つところまで無事に虫にやられずにいることが難しいでしょう。
 その点、秋は虫も少なくなり、特に新芽が好きな虫が少なめなので、大きく育てやすいです。特に虫に好かれるハーブで秋蒔きできるタネは秋に蒔くのがお勧めです。




タネ蒔き用土の準備


 浅めの箱などを苗床(なえどこ)にして、そこにタネを蒔き、発芽後に移植する場合と、花壇などに直蒔き(じかまき)する場合では準備が異なります。

■苗床(なえどこ)場合

 タネを蒔いた後、しばらく待って、やっと芽が出てきて喜んでいると、次々ダメになっていく……ありがちなことですが、その原因のひとつが細菌です。
 発芽したての植物の赤ちゃんはまだまだ弱く、ちょっとした細菌にも簡単にやられてしまいます。
 それを防ぐためにも新しい土を使ったほうが安全です。

 売っている土の中にはさまざまな肥料が含まれたものもあります。タネにとっては栄養過多で消化不良を起しがちなので、ごく普通の赤土か、「さし芽・タネまき用」として売られている土がお勧めです。赤土は粒が大きなものから小さいものまでありますが、タネ蒔き用なら小さめの粒を選びましょう。
 「さし芽・タネまき用」土のお求めは園芸専門店「ブルーミングスケープ」挿し芽(木)・種まきの土

 花壇などに直蒔き(じかまき)する場合。

 そのまま育てるので、肥料を入れて耕しておきます。腐葉土などの緩効性の肥料を選びましょう。
 おすすめの緩効性肥料はOh!けい's Dining&Gardenセレクト:緩効性肥料



タネまき方法いろいろ


 タネまきのやりかたは大きく分けると、直蒔き(じかまき)と苗床に蒔くやりかたに分かれます。

●直蒔き(じかまき)
 直まきとは花壇やプランターなど最終的に育てる場所に直接タネをまくことです。
 大粒のタネや移植を嫌う植物のタネまきにむいています。まく際は成長後の大きさを考えて、苗を植えつける時と同様に、充分な間隔を空けて、まきましょう。

●床まき
 苗床を用意して、そこにタネをまき、移植します。

 一般には大きな箱に土を入れて苗床にしますが、初心者は移植の際に根を傷めて失敗しがちです。
 そこでおすすめしたいのがピートモスで作られた専用床、商品名ジフィーシリーズやクイックシリーズ。そのまま丸ごと植えつけられるので、根を傷める心配がありません。


ジフィーやクイックピート
 ピートモス(水苔)で作られた、タネまきや挿し木、挿し芽専用資材です。圧縮した状態で売られていて、水をかけて戻します。ジフィーだと数十分かかりますが、クイックシリーズならあっというまです。
用途に合わせて使い分けられる各種タイプがあります。

 下の写真はジフィーセブン。
 水をかけると水を含んでふくらみます。ポット上部に穴を開けて、そこにタネをまき、周りのピートをくずすか、土をかけておきます。後は木漏れ日が当たるような半日陰で管理します。

 クイックシリーズのお求めは園芸専門店ブルーミングスケープのクイックピートポット
 ジフィーシリーズのお求めは楽天市場で扱われているジフィーシリーズ
最初の状態
最初の状態の写真
水をかけてふくらんだ状態
水をかけてふくらんだ状態の写真
芽が出た状態
芽が出た状態の写真



タネはけちるべからず


 初めて種を買ったときは1袋に入った数の多さに驚きました。
 狭い庭なので、1本の苗があればいいのだから、発芽率を考えても種は5〜10粒もあればいいのに……と思ったのです。

 当初は卵パックに爪楊枝で穴を空けて、1箇所に種1粒を蒔いていました。「間引きも不要だし、これはラク!」と思っていました。
 ところがどうもうまく成長してくれません。ヒョロヒョロ弱くなりがちでした。

 実は小さなタネの場合にはたくさん種を蒔くことと、間引きは大事な作業だったのです。

 たくさん発芽した新芽は互いに支えあっています。これによって、植物はしゃんとしてきます。
 間引きしないと、混み合い過ぎでなかなか成長しません。
 同じように種を蒔いて、1個所は間引きして、別の場所では間引きせずにほおっておいたところ、間引きしたほうは倍そのまた倍といった感じで、間引きしてない苗とは比べ物にならない速さで成長していきました。

 大きな種はいいですが、小さな種のものは必ず数粒まいて、葉が互いに触れ合いそうになったら間引く、また成長して葉が触れそうになったら間引くを繰り返していきましょう。本葉が出始めたら、かなりしっかりしてきます。
 そのあたりになったら、パセリのような移植を嫌う植物以外なら、掘り返して、それぞれの場所に植え替えなおしてもいいでしょう。

 庭に直まきする場合は成長後の大きさを考えて、苗を植えつける時と同様に、充分な感覚を空ける必要がありますが、たとえば50cm間隔で植えつけるべき植物なら、50cm間隔に穴を空けて、そこに数粒まいて、間引きしていって、最終的にはそれぞれの場所で1本にするというふうにしていきます。



発芽までの手助け


 種には充分な水が必要です。でもまいてから水分が多すぎる状態が続くと、空気不足になります。

また日の光が必要ですが、直射日光の当たる場所では水不足になりがちです。

 種の袋に「向日性」と書かれた、特に日を好む種の場合は上からかける土は少なめにしましょう。

 基本的には苗床は半日陰に置きます。
 直まきの場合は、寒冷紗をかけるとよいでしょう。

 水やりの際には種が流れないように注意してください。苗床を使った場合には水を張った器に苗床をつけて、下から水を吸わせるのもよいでしょう。
 各ハーブの種蒔きのコツはハーブ図鑑をごらんください。



Click Here!

Back
「Oh!けい's Dining&Garden」のトップページへ
園芸の質問は掲示板に
Next


文責&著作権者:森田慶子 
リンクフリーです。リンクを張ってくださったときは、ご一報いただければ幸いです。
本サイトにはアフィリエイト・リンクが含まれています。